演奏会演目〜バロック音楽の部
ラフェットの開催にあたっては、主催者としていろいろこだわっている点があります。
中でも一番は、当前ですが演目の内容と、そしてその順番。
このブログをお読みくださっている方々は、音楽の種類や音楽家について、演奏形態について、選曲や並べ方など、お楽しみいただけるかもしれません。
とある演奏会のプログラムの一例という感じで、プログラム冊子の「演目解説」のページを何回かに分けてここに書いてみようと思います。
一回目はオープニングからバロック音楽の部まで。
※プログラム冊子自体にはどの演目の欄にも出演者のお名前が全員フルネームで掲載されていますが、ここではプロの方々だけお名前を出すことにします。
※ピアノ、チェンバロ、ベース、ドラム以外の楽器名がある場合は、すべてシンセサイザーで演奏されています。音色作りにこだわりました。
プログラムの演目解説に書いたこと
オープニング
1. 序曲 ~王宮の花火の音楽HWV351より第1曲/G.F.ヘンデル
出演者と主催者がご挨拶。1749年イギリス王室花火大会の序曲にのせて。
2. ニュー・キャッスル/イギリスバロック古典舞踏曲 皆さんご一緒に音楽体操を!
バロック時代1600年~の音楽
現代とは音楽の姿がまったく異なる古い時代の、四つの国を代表する作曲家たちの
作品をお楽しみください。Roland製電子チェンバロ“C30”を中心に演奏します。
3. 劇音楽アブデラザール組曲Z.570より第8曲ホーンパイプ,第2曲ロンド/H.パーセル
バロック・ヴェセの四人によるアンサンブル。
イギリスのパーセルは王室弦楽団の常任作曲家でした。ちなみにその後任がオープニング『王宮の花火』のヘンデルです。
自由な作風が特徴。
ロンドは日本の小中学校では必ず聴く代表作です。
4. ロンドのメヌエットハ長調,メヌエットイ短調/J.P.ラモー
チェンバロソロ。
フランスのラモーは、和声がもたらす心の動きを研究し、長年かけて理論的にまとめました。
感動と共に大きな安心感をもって聴ける魅力的な作品ばかりです。
今回の小さなメヌエットは、同じ音型で始まる対照的な二曲です。
5. ソナタホ長調“行列”K.380(L.23)/D.スカルラッティ
チェンバロソロ。
イタリアのドメニコ・スカルラッティは、それまで伴奏役だったチェンバロを、とてもたくさんの素晴らしいソナタを作ることによって主役楽器にし、自身も卓越したチェンバリストでした。
「行列」は最も人気のある曲です。
6. フランス組曲第5番BWV816より第1曲アルマンド/J.S.バッハ
小松﨑茜によるチェンバロソロ。
ドイツのJ.S.バッハがフランス風の優雅な様式を取り入れて作りました。
アルマンド、クーラント、サラバンド、ジーグという古典組曲の基本の中に、他のいくつかの舞曲を織り交ぜています。
今回はよく知られている第5番の一曲目です。
7. ブランデンブルク協奏曲第5番BWV1050より 第1楽章アレグロ 抜粋/J.S.バッハ
DNA(小松﨑茜,内藤郁子)によるデュオ。
バッハがブランデンブルク伯爵に捧げた六つの協奏曲から最も有名な第5番の第1楽章は、フルートと弦楽器と共に演奏されます。
約10分のこの作品を作曲家山上晃司さんが短く鍵盤楽器用に編曲しました。
8. チェンバロ協奏曲第5番BWV1056第2楽章ラルゴ(アリオーソ)/J.S.バッハ
デュオ・ドゥ・レーヴ(谷上公子,内藤郁子)によるデュオ。
数多の人々を癒すこの作品を、当時は無かった現代のグランドピアノで演奏します。
現代の私たちが身近な楽器で古楽を演奏することは、研究の大切な一つの道筋。音楽を思うことの幅が広がります。
音楽教室のバロック
オープニングから初めの部にかけてのこれらのバロック音楽。
バロックという古い音楽を、こんなに目立たせて日の当たるところに出して、演奏会の始まりの華々しいところに持ってくるということは、音楽教室としてはそうよくあることではないと自負しています。
バロックを専門に勉強、演奏する音楽家たちの世界は、本当に素晴らしい本格的なものです。
そうではなく一般的なプロの例えばピアニストなどの音楽家が、演奏会の中でバロック音楽を取り上げる場合、これらの音楽に対する自分の思いを、語る、演奏で表現する。
また、楽器をどんなふうに使うかという取り組み方の面でも、自分の考えを表現しています。
その意味で、ご自身の演奏会のプログラムの初めの方で、バロック音楽を弾く方も多いです。
ですが一般的な音楽教室の演奏会では、ここまで大きくバロックを取り上げて、華やかにバロック音楽からスタートして、何曲も続くようなプログラムは、そんなに多くはないと思います。
私自身が古い音楽がとても好きで、古典派やロマン派やポピュラー音楽などとは別に、特別な分野として勉強したいと思い、たくさん演奏したいなと思っている。
そのような気持ちを特別に持っている私が嬉しいのは、私の影響であることは明らかなのですが、生徒さんの方からバロック音楽が大好き!演奏してみたい!ということを、積極的に表明してくれることです。
例えば自分でレッスンで教わるバロックの曲を選んできたり、ラフェットのバロック部門にエントリーしたり、チェンバロを弾きたがってくれたりなど、さまざまな形で、バロックが好き、関わっていたいと、ご自分の方から言ってくださる生徒さんがいることは、とても嬉しいです。
子ども達や初級者の方々にも、そのようにしてバロックの素晴らしさを伝えていきたいと思っています。
バロック音楽というとイコールバッハと思っている方が多いのですが、もちろんバッハだけではなくたくさんの作曲家がいました。
ショパンとリストの作品がまったくタイプが異なると同じように、その時代も多くの作曲家がまったく違ったタイプで素晴らしい作品をたくさん作ってくれています。
特にバッハはみんなが知っているのはなぜかというと、バッハはこの時代には珍しく、プロのための曲ばかりではなくアマチュアの方が練習して楽しむための曲もたくさん作ってくれた、ということが大きいでしょう。
世界中のピアノの生徒さんは、バッハの曲で必ずレッスンを受けるので、バロックといえばバッハのイメージが強いのではないでしょうか。
ですからラフェットの中でもバッハの演目が多くなりがちですが、もちろんそれ以外の私が素晴らしいなと思える作曲家たちも取り上げています。
バロック音楽は、ヨーロッパの大きな四つの国でそれぞれ違う特徴を持っていて、それぞれに素晴らしい作曲家がいて、、ということがバロック時代を楽しむ視点のひとつなのです。
今年はその四つの国から一人ずつ作曲家を選んだプログラムになったので、とても良かったと思います。
前回 2024年にはとても興味深いプログラムになったと我ながら思っていました。
バッハとバッハにつながりのある作曲家たちという感じでプログラムを組むことができたのです。
これもエッセイにまとめられると思うくらい、とても良かった。
前回と今回と二回続けて、解説しやすく注目点が分かりやすいプログラムになったと思います。
巷の音楽教室の中では、バロックの音楽にワクワクするような、楽しいなと思えるような空気がある教室だと私は自負しています。
もちろんバロックだけではなく、ヴォアクレールの特徴は音楽のできるだけたくさんのジャンルをひとつひとつを深掘りして、その違いを発見して楽しむという方針です。
これからも、古い音楽だけを取り上げた演奏会という企画もいつかやってみたいと思います。
バロックという言葉は、日本人にとっては硬いイメージの言葉かもしれません。
ですが本当は混沌としている歪んでいる絢爛豪華すぎている、というような意味なので、ふざけた感じや楽しい意味で崩れた感じのする音楽もたくさんあるのです。
そんなこともヴォアクレールの皆さんには知っておいていただきたいなと思います。
この後も、毎週ではないかもしれませんが、ラフェット2026の演目についてプログラム順に書いてゆきたいと思います。
どうぞお楽しみに!






















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