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上質な演奏を紹介したい

クラシック音楽のピアノと声楽の生徒さんが自分の演奏を仕上げていく時、最初にイメージを掴むという時に、プロの演奏を参考にするというのは、大切な過程のひとつです。

これまで何年もの間に何度かこのようなお話をしてきました。


いつの、どこの

例えば、どこの、いつの音楽なのか。

楽譜に書いある音符でただ声を出す、その鍵盤を押す、そういうことだけではなく、その音楽がどんな風土の中でどんな人間によって生み出されたものなのか、ということに興味を持っていただく。

そしてそこから得たものを含めて自分なりの考えを持って弾いていただく、歌っていただくと、きっとずいぶん違うのではないかと思います。

そういうことにあまり興味を持たれないかたも中にはいらっしゃるということから、折に触れそんな話をしています。


その過程で、プロの演奏をたくさん聴いてほしいですし、どこの誰の作品ということを考えて聴くことをオススメします。


つい最近も、なかなか掴みきれない様子でしたので、プロピアニストの演奏を聴いてくださいねとお話ししました。

その曲は、何人ものピアニストが演奏動画や音源を出しているような曲だったので、その中からこの演奏がいいかなと選んで、おすすめしました。


CDでしか選べなかった時代

先生である私も、本当はそういうプロのピアニスト並みに弾けなければいけません。

音楽の先生として私も一応の演奏はもちろんできますが、生徒さん全員の分の曲をリサイタルにのせる、レコーディングするというレベルにまで仕上げることは無理です。

生徒さんがご自宅で日々の参考にするという音源として、YouTubeとCDの音源がとても役立ちます。


最近はYouTubeを愛用しておすすめしていますが、こんなに気軽にYouTubeでそのような演奏を聴けるようになったのは、私の長い音楽の先生人生の中では最近のこと。

指導歴何十年間かの前半はCDでした。


何千円もかけてCDを買いに行くということが、生徒さんにとってはハードルが高く、大変なことでした。

私が一生懸命弾いてあげた上で、素晴らしいピアニストのCDがありますよとご紹介。

その生徒さんが興味を持って、自分から聴きたいと思ったら、お財布の事情も考えて買いに行くこともある、という感じ。

時々「明日CD屋さんに行くのですが、今レッスンを受けているあの曲を買ってきたいと思います。おすすめのピアニストをもう一度教えてください」などと連絡をいただき、とても嬉しかった記憶があります。


もちろん一番良いのは、生でプロの演奏を聴くこと。

生演奏とCDとの違い、YouTubeとの違いということは、また別のお話ですが、

やはり生で演奏会を聴きに行く機会を、昔も今こうして動画で見られる時代になっても、私は大いに推奨しています。

その演奏家がその生徒さんのレッスンの参考になるタイプ、解釈の演奏をする方かどうか、ということが気になるところではありますが、参考のためだけではなく、耳や体感の経験を積むという意味で、そしてもちろん本来の目的であるご自身の心の豊かさのために、生演奏を聴くのは良いですね。


ポピュラー音楽との選び方の違い

先生たちはいつも生徒さんに上質の音楽をお届けしたいと思っています。

そう考えた時に、CDでしたら間違いなく、私がこの人のこの演奏ならこの生徒さんに向いている、参考になる、と思えるものをはっきりとお伝えできます。

自分が持っているものならもう品番まで添えて。

ですがYouTubeでどうぞご覧になってくださいとお伝えする場合は、選ぶのに時間がかかります。


ここがポピュラー音楽とクラシック音楽の違いですね。

クラシックではない音楽は、半分以上が原曲のアーティストがいるので、どの演奏を聴けば良いのかということは当然はっきりしています。

そこが楽ですね。


カバーしていたり本人から提供されているアーティストもいますが、「この人の作品」というその境目ははっきりしています。

例えば昔からある洋楽などは、最近のアーティストがカバーしていても、その曲の参考音源として聴くわけではなく、そのカバーしてるアーティストのアレンジの個性を楽しむわけですから。


生徒さんが選ぶ

歌でもピアノでもクラシックの演奏を、練習の参考にするためにYouTubeで探す場合、私が「この動画」と指定してあげられれば問題ないですが、その前にご自分で探して聴いていたりすることももちろんあるわけです。

それは積極的でとても良いことで、私も推奨していることですが、その時に、本当に上質の演奏に出会えているかどうかというと、難しいかもしれません。


YouTubeは誰でも投稿できますね。

趣味のかたがご自身で楽しむための演奏、自分が楽しいから録画をしたという演奏を、「私、こんなふうに演奏できました」と投稿して、で、それを同じ趣味の方ががんばったねと応援したり、お友達やご家族が楽しんで聴いたりという動画も、素敵ですね。

私は個人的にはあたたかくて好きです。

アマチュアのかただけれども、素晴らしい演奏、キレイな音を出しているかたに出会うと嬉しいです。


ですがそういう動画は、生徒さんが理想の演奏に近づくための参考資料とするものではないです。

参考演奏はやはり、ある程度認められたプロのピアニストや歌手が演奏しているものから選んだ方が良い。

そういうものは、内容はもちろんのことレコーディングの技術もしっかりしているので、音質もとても美しいです。

そのような音源をたくさん投稿している演奏家のチャンネルや、音楽団体のチャンネルを、いくつか登録もしていて、その出会いも嬉しいことです。


やはり生徒さんが探すのは大変なことも多いでしょう。

生徒さんがそのような本当に上質なものに出会う時に、プロだということは分かるけれど、何人も見つけてそれぞれ弾き方がとても違う、歌い方が違うとなった時に、どの動画を参考にしたらいいのだろう、となります。


もちろん全部聴けば良いのです。その違いは個性ですから。

なるほど、こういう表現もあるんだな、こういう技術の使い方もあるんだな、というふうに聴けばよい。

ですが、目指すものとして設定するのにどれがその生徒さんに向いてるかということは、そのかたにレッスンしている先生だけが分かることなのかなと思います。


先生のお仕事

先生は生徒さんのレッスン曲をただ一生懸命練習するだけではなく、プロの演奏の中から、そのかたに向いているものを選ぶということ、これもお仕事のひとつです。


本当に上質なものをおススメしたいと思うので、かなり真剣に選ばせていただいています。

ですから、趣味の方ががんばっているあたたかい動画と、プロの動画と、そしてそのプロの中でもいくつかの個性が際立つもの。

それらが区別できるように生徒さんもなってくれたらいいなということも、おススメする時のアドバイスのひとつとしてお伝えしています。


なかなか難しそうですが、、

いつも上質な演奏を聴いていていただきたいと思っています。


 
 
 

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