王室を彩ったヘンデルの音楽〜音楽クイズ解説
- Naito Ikuko
- 9月18日
- 読了時間: 4分
夏祭りの中でクイズのコーナー全10問、参加者には終了後に、問題と答えを印刷して参加者全員にプレゼントしました。
皆さんから各問題の解説を聞きたいとリクエストをいただきましたので、タイトルに「〜音楽クイズ解説」と付けた投稿をこれから時々していこうと思います。
第一問目は笑いをとって雰囲気を作ろうと思い、、、
問題:バロック時代の代表的な作曲家ではない人は、次のうち誰でしょう誰でしょう
①バッハ
②ヘンデル
③グレーテル
答えは③グレーテルです、もちろん笑。
これもつっこんで「ほ〜んとうにこの苗字の人はいなかった?」と問い詰められれば、証明はできませんけれどね。
ですがいたとしても「代表的な作曲家」ではないでしょう。
他には例えばこんな問題もありました。
問題:ドイツ三大Bと呼ばれる三人の作曲家がいます。
この三人のうち、息子も有名な作曲家になった人は誰でしょう
①バッハ
②ベートーヴェン
③ブラームス
答えは①バッハです。
これは”ひっかけ問題”です。
ベートーヴェンとブラームスはそもそも結婚自体をしていませんのでね。
そしてついでに正確に言うと、バッハの息子「も」ではなく、当時は息子たちの方が広く世間に知られヒット作品を作っていました。
一番楽しんで作った問題は、ヘンデルの作品についてです。
問題:ゲオルグ・フリードリッヒ・ヘンデルは、ドイツ人ですが長い間イギリスで王室に仕え、当時のジョージ1世とジョージ2世のために多くの作品を作りました。
次のうち作らなかったものはどれでしょう
①テムズ川での船遊び大会の音楽
②エッピンク森での狩猟大会の音楽
③グリーン公園での花火大会の音楽
このクイズは消去法で答えられると思って作りました。
まず①は、ヘンデルの作品の中ではかなり有名な『水上の音楽』です。
試しに何人かの生徒さんとの雑談で一番有名なメロディを口ずさんだら、その方達は全員「ああ、知ってる。聴いたことある」でした。
そして、実はこの夏祭りのイントロダクション(自己紹介)と休憩時間とエンディングの時に、この曲をBGM で流していたのです。
③は『王宮の花火の音楽』。
ヴォアクレール生徒さんなら必ず「これは作っている」と言えるはず。
二年に一度の秋の演奏会”ラフェット”で、一番初めの出演者のご挨拶の演目で、もう何十年も必ずこの曲を使っています。
皆さん、出だしの一音を聞いただけで立ち上がってしまう癖がついているほど。
曲名も何10回もお伝えし、プログラムにも毎回掲載しています。
というわけで、答え(ヘンデルが作っていないもの)は②の狩猟大会の音楽でした。
ラフェットのこととBGMのことからこの問題を思いついたわけですが、この問題文と三つの答えを作るのに、自分の知識に一応自信はあったものの、それでもあらためてかなり調べました。
王室が実際に狩猟のイベントを行っていたこと(この時代の貴族がスポーツとしての狩猟をやらないことはあり得ないのですが)、でもそのための音楽は(私が一生懸命調べた記録では)ヘンデルの作品には見当たらないこと。
そして、地名についても。
ロンドンの王室が船遊びをするのは、テムズ川以外あり得ません。
花火大会の会場はいくつかあったようですが、「その設備を設置し、、」という記録を見つけたのはグリーンパーク。
イギリス王室ですからそうではないかとは初めから思っていましたが、やはりそうでした。
そして、当時王室が狩猟を楽しんでいた場所にふさわしい森はロンドン近郊にいくつかありますが、記録で見つかったのはエッピング・フォレストでした。
私は行ったことはありませんが、私の好きな小説の舞台となっているので、名前と位置はよく覚えていました。
川、森、公園を日本語にしたのは、小学生もいたからということと、テムズ川だけは「テムズ・リバー」と言うとなんだか別の場所に聞こえる気がしたからです。
いかがでしたでしょうか。
これからも時々、このクイズ解説をしようと思います。

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