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モーツァルト レクイエム演奏会

以前から話題にしていたモーツァルト演奏会を、9月28日に終えました。


私の声楽の師匠ご夫妻が主催する大規模な演奏会で、お二人が指導されているたくさんの合唱団のメンバーが合唱で出演、私もその一人です。


ここでしか味わえない、特別な感動のあるイベント。

音楽家として、先生だけをしているのでは得られない貴重な体験を、師匠のおかげで重ねて来ることができました。


私は若い頃は無我夢中で参加してきましたが、コロナ禍での中断を経て再開したこの数回で、心底から、この経験がどんなに得難いものなのかを実感しています。

毎年、はじめて合唱合同レッスンに参加しマエストロの指導を受ける日、本番約一週間前にソリストたちが来てその年のその声をはじめて聴く瞬間、指揮者とオーケストラが合わせを重ねてそこにはじめて合唱団が参加する日、そのそれぞれに毎回なんとも言えない快感の瞬間と、毎回新たな発見と勉強を経験できるのです。


今年一番感じたのは、何回か合唱合同レッスンに参加した時の、師匠のご指導でどんどん心身が整ってゆく感覚でした。

自分なりにたくさんモーツァルト勉強してきて、頭ではいろいろなことを分かってはいますが、モーツァルト研究に尽くしている師匠が実際の演奏を私たちから引き出してゆくその過程では、本当に魔法をかけられるような感覚を覚えるのです。

このレッスンに行く前、疲れ切って挫けそうな状態だった日がありました。

ですが、師匠の指揮で皆さんと一緒に歌い進めていくうちに、どんどん自分の中が健康になってゆく。

モーツァルトの音楽を奏でるということは人間にとって、自分が整って豊かなものが自分の中に生まれるということなのだと実感しました。



たくさんの作品を演奏した最後に、メインのプログラムであるレクイエム K.626。

私はこの作品は人生で四度目の出演。

こんな音楽を人間が作ることはもうないだろうと言いたくなるくらいの名曲です。


ここで招かれている四人のソリストは、ソプラノ高橋薫子さん、アルト牧野真由美さん、テノール角田和弘さん、バス田中大揮さん。

角田先生が打ち上げの席で「今が一番よく高音が出る」と、経験を積み重ねてそのひとつひとつを糧として蓄え、あきらめずに歩むこと大切さを、ご年齢に照らし合わせてお話しくださいました。

私も、振り返ってみると、人生の節目節目に、この作品を歌う機会をいただいてきました。

この音楽を舞台で演奏することによって、自分をリセットしてゆけるような気がします。

「モーツァルトに帰る」、私にとってはそんな存在の作品です。


何十年も使って修復が必要なほど古くなっているレクイエムの楽譜を見ると、若い頃から師匠のレッスンを受けてきたたくさんの書き込みから、教わってきたことの貴重さがあらためてわかります。

角田先生のおっしゃるとおり、経験を積むということがどれほど大切なことなのか、どれほど自分の音楽を充実させて膨らませて進化させてくれることなのかを、今あらためて考えています。


演奏会全体がどんな演目だったのか、そしてモーツァルトのレクイエムの内容を、日曜日のYouTube『音楽のひとしずく』で語ります。

よかったら聞いていただけると嬉しいです。

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